研究課題/領域番号 |
22591628
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
川口 善治 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (00262527)
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研究分担者 |
浜崎 景 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 肋教 (50533494)
関 庄二 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 肋教 (00432112)
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キーワード | 脊椎靭帯骨化症 / 血中脂肪酸値 / 高感CRP値 / multidetector CT / 骨化係数 / 頚椎 / 胸椎 / 腰椎 |
研究概要 |
1)multidetector CTを用いて全脊椎におけるOPLLの実態を調査すること、および2)脊椎後縦靭帯骨化(OPLL)における全身の骨化巣の広がりとそれに関連する全身因子、特にミード酸を含む脂肪酸値を検討することを目的とし、研究を行った。 単純X線側面像にて頚椎にOPLLがみられる101名(男60名、女41名、平均年齢67.3歳)を対象とした。コントロールとしてOPLLを認めない患者100例を年齢、性をマッチさせて選んだ。OPLLの診断はX線とmultidetector CTにて行った。頚椎X線にてOPLLのタイプを分類した。また全脊椎のCT(尖状断像と水平断像)にて、頚椎、胸椎、腰椎各レベルの脊柱管内骨化病変(OPLLおよび黄色靭帯骨化)を評価した。その上で骨化の見られるレベル(椎間数と椎体数)を合算して骨化係数とした。さらに全患者およびコントロールより採血を行い、血中の電解質、血糖値、高感度CRP、骨化マーカー、26種類の脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヴァクセン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキジン酸、11-エイコセン酸、エイコサジエン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、エルシン酸、ドリグノセリン酸、ネルボン酸)値の測定から骨化係数と関連する全身因子を検討した。 その結果、OPLL患者とコントロールの間でオレイン酸、リノレン酸、ミード酸、ドコサテトラエン酸の値に有意差を認めた。高感度CRP、他の値には差はなかった。頚椎OPLLが胸椎および腰椎のOPLLを合併する頻度は、ともに約50%であった。胸椎および腰椎OPLLは、頚椎OPLLの連続型、混合型に合併する頻度が高い傾向にあった。また胸椎と腰椎の骨化係数が20を超える骨化の著しい患者は14名おり、女性が12例を占めた。 現在、OPLL患者とコントロールの間での相違を再度確認中であり、今後骨化係数と全身因子との関連を検討予定である。
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