研究課題/領域番号 |
22591629
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 博之 信州大学, 医学部, 教授 (40204490)
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研究分担者 |
内山 茂晴 信州大学, 医学部, 准教授 (10242679)
森泉 哲次 信州大学, 医学部, 教授 (70157874)
伊坪 敏郎 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (90467168)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | 絞扼神経障害 / 末梢神経障害 / 坐骨神経 / ラット / double crush syndrome / 実験モデル |
研究概要 |
【具体的内容】ラット坐骨神経に複数回の圧迫を加え、運動機能の回復と神経線維の再生に及ぼす影響について調査した。 【方法】12~14週齢のラットの左臀部を切開し左坐骨神経を露出後、圧迫損傷を加えた。圧迫は鉗子にて180秒間行った。損傷回数の違いにより、A~D群のラットを作成した[A群(control)、B群(1回圧迫)、C群(1週間隔で2回圧迫)、D群(1週間隔で3回圧迫)]。採取したfoot printから第1-5指間距離と第2―4指間距離を測定し、Static Sciatic Index (SSI) 値を算出し運動機能を評価した。最終圧迫の2、3、4週後に採取した前脛骨筋から凍結切片を作成し、筋線維横径の計測と免疫染色による神経筋接合部の再支配率(シナプトフィジン/αブンガロトキシン)の計測を行い、坐骨神経反復損傷による影響について評価した。 【結果】B-D群では、次第にSSI値の回復が認められたが、B群(1回圧迫)に比較してC群(1週間隔で2回圧迫)、D群(1週隔で3回圧迫)では回復の遅延が認められた。また、B群では4週後に、C群では6週後にSSI値が正常域に達したのに対し、D群では8週後においても正常域まで回復しなかった。B群(1回圧迫)の前脛骨筋の筋線維横径は、D群(1週間隔で3回圧迫)と比較すると、最終圧迫の2、3、4週後すべてにおいて有意に大きかった。D群の神経筋接合部再支配率は3週後においてB群と比較して有意に低かった。 【意義】坐骨神経に対する反復圧迫損傷では、1回の圧迫損傷と比較して運動機能の回復が遅く、3回以上の圧迫では筋線維径の回復遅延および神経線維の再生遅延により、最終的に正常運動機能が得られないことが示唆された。 【重要性】神経に対する反復圧迫損傷に対する基礎研究はほとんどなく、今回の研究により反復損傷回数による機能低下が具体的に示された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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