研究課題
哺乳動物における脊髄損傷後の運動、知覚機能不全の改善作用につき明らかにすることを目的として研究を行った。齧歯類と同様、脊髄損傷後のビーグル犬においてもGDNF発現骨髄幹細胞とコンドロイチナーゼABC(以下、ABC)の効果が確認された。ABC群の損傷脊髄において、コントロール群と比較して神経栄養因子の有意な発現上昇を認めた。ABC群において、損傷部周囲でastrocyte・microgliaの増殖が抑制されており、oligodendrocyteに関してはコントロール群と比較して有意な差を認めなかった。損傷部周囲の軸索再生に関してはABC群において有意に再生線維の増殖を認めた。ABC群において、コントロール群と比較して有意な後肢運動神経機能回復が確認された。ABC群では、コントロール群と比較してアロディニアの発現が抑制され、知覚神経機能の有意な回復が認められた。脊髄損傷後における、脊髄再生において、コンドロイチナーゼABC0.05U/200μLが運動機能回復において至適投与量であった。我々は、コンドロイチン硫酸以外にもケラタン硫酸の脊髄再生阻害作用についても証明した(J Neurosci. 2010 28;30(17):5937-47)。コンドロイチン硫酸分解酵素であるコンドロイチナーゼABCの有効性に加え、ケラタン硫酸分解酵素であるケラタナーゼIIの有効性についても証明した(至適濃度:0.05U/200μl)(J Neurosci. 2011 Nov 23;31(47):17091-102.)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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