研究概要 |
申請者らは独自に開発した硬組織接着性多糖誘導体を用い,生体親和性が高く,かつ骨に対し強固に接着する生体吸収性骨セメントを創製した。 アパタイトとチタンに対する引っぱり強さをPMMA,Calcium phosphorylate (CPC)を対称として検討した。アパタイトに対しては、新規セメントは平均14.7MPa、PMMAは11.4MPa、CPCは1.3MPaであった。チタンに対しては、新規セメントは18.3MPa、PMMAは10,1MPa、CPCは接着しなかった。これらは有意に強く接着していた。(one-way ANOVA p<0.05)また、新規骨セメントをマウス(BL6雌)の大腿骨内に投与しそれらの吸収速度を組織学的変化を観察し評価した。投与時に新規骨セメントにβTCPやDCPDを混和し投与した。βTCPを混和し投与することで投与後5週の組織学的評価でセメントの周辺に骨化が認められた。また、8週の時点でもセメントの残存が認められた。DCPDを混和したマウスにおいては、8週の時点でセメントはすべて骨化し吸収されていた。これらのことから、セメントの吸収速度に関しても他の成分を混和することで調節が可能であることがわかった。 来年度以降に行う予定であるBMP等の成長因子を併用した骨再生の実験のために骨粗鬆モデルマウスの作成を行った。マウスの卵巣を摘出し、さらにステロイドを投与することでより骨粗鬆症が進行することを放射線的に評価を行っている。
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