研究課題/領域番号 |
22591639
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山田 宏 和歌山県立医科大学, 和歌山県立医科大学医学部, 講師 (70275361)
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研究分担者 |
吉村 典子 東京大学, 大学院・医学系研究科関節疾患総合研究講座, 特任准教授 (60240355)
石元 優々 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (20508030)
長田 圭司 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00527195)
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キーワード | 腰部脊柱管狭窄症 / 脊椎 / 疫学 / 有病率 / 核磁気共鳴画像法 / 地域住民コホート / 検診 |
研究概要 |
研究の具体的内容 2008-2009年に和歌山県の2地域で実施した骨・関節疾患予防検診(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability : ROAD study)第1次追跡調査に参加した1611人のうち、脊椎核磁気共鳴画像法(MRI)検診に参加を表明した一般住民1,011名(男性335名、女性676名、平均年齢66.3歳)を対象とし、整形外科専門医が脊椎診察を行った。画像検査は、車両搭載型MRI撮像装置を用いて全脊椎の神経圧迫病変を検索した。症候性腰部脊柱管狭窄症(LSS)患者の診断は、臨床症状と画像所見の双方から成る独自の診断基準を設定した。すなわち、(1)殿部・下肢の痛み、もしくはしびれ、下肢神経脱落症状、会陰部症状のいずれかが存在し、これらの症状は、歩行・立位により誘発あるいは増悪し、前屈、坐位、臥位にて軽快する、(2)MRIT2強調横断像において臨床症状を説明しうる狭窄病変が存在するものを症候性腰部脊柱管狭窄と診断した。結果として、40代未満においてLSS有病者は認めなかった。LSSに罹患するものの割合は50歳代以降に急増を示していた。女性においては年代が経る毎に有病率も上昇していたが、男性においては60代をピークにその後は徐々に減少傾向であった。本コホート全体のLSSの有病率は9.3%(男性10.1%、女性8.9%)と算出された。各年代別の観察では、年齢が上がるにつれて、有病率は有意に増加傾向を示したが、性別・BMIにおいては有意差を認めなかった。 本研究の意義 検診は和歌山県の2地域に限定して実施されたものであるが、本研究は大規模地域住民コホートにおける症候性LSSの年代別、性別有病率を明らかにした最初の報告である。 本研究の重要性 今後、本研究におけるコホートを追跡調査することで、腰部脊柱管狭窄症の自然経過や発症要因、および危険因子を明らかできるものと考える。
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