疼痛関連行動解析からみた慢性腰痛モデルの確立とその発痛機序の解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22591640
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 整形外科学
• 研究機関: 和歌山県立医科大学
• 研究代表者: 川上 守 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20195051)
• 研究分担者: 延與 良夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: A 脊椎脊髄病学

研究概要

脊椎後方支持組織である腰椎椎間関節を切除することで、椎間板変性、すべりを伴わない椎間不安定性が出現することをラットで証明した。このモデルを用いて、自然歩行下で行動解析の結果、疼痛関連行動が処置後7週で認められた。後根神経節で疼痛関連伝達物質、炎症性サイトカインの増加がみられ、行動異常には、侵害受容性ならびに神経障害性疼痛が関与している可能性が判明した。椎間板そのものの変性過程がこの疼痛行動に寄与しているのか、椎間不安定に伴う脊髄、馬尾、神経根の障害によるものかは今後の検討が必要である。

研究成果

• [雑誌論文] A pain related behavior and intervertebral disc degeneration after lumbar facetectomy -Animal model for degenerative disc disease. (2012)
  • 著者名/発表者名: Fukui D, Kawakami M, Nakao S
  • 雑誌名: Transaction of Orthopedic Research Society 巻: 37 ページ: 1192
  • 査読あり
• [雑誌論文] 神経伝達物質、炎症物質と神経根性疼痛のメカニズム (2012)
  • 著者名/発表者名: 川上 守
  • 雑誌名: 脊椎脊髄ジャーナル 巻: 25(4) ページ: 351-354
• [雑誌論文] 脊椎手術術後患者に対するプレガバリンの有用性-前向き比較研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 福井大輔、 川上 守、 中尾慎一、 森下詔子、松岡淑子
  • 雑誌名: 中部整災誌 巻: 55 ページ: 1129-1130
• [雑誌論文] Disk dynamic compression in rats produces long-lasting increases in inflammatory mediators in disks and induceslong-lasting nerve injury and regeneration of the afferent fibers innervating discs: A pathomechanism for chronic discogenic low back pain. (2012)
  • 著者名/発表者名: Miyagi M, Ishikawa T, Kamoda H, Suzuki M, Murakami K, Shibayama M, Orita S, Eguchi Y, Arai G, Sakuma Y, Kubota G, Oikawa Y, Ozawa T, Aoki Y, Toyone T, Takahashi K, Inoue G, Kawakami M, Ohtori S.
  • 雑誌名: Spine 巻: 37 (21) ページ: 1810-1818
  • 査読あり
• [雑誌論文] ラット腰椎椎間関節切除による変性椎間板モデルの作成 (2012)
  • 著者名/発表者名: 福井大輔、 川上 守、中尾慎一、松岡淑子
  • 雑誌名: 日整会誌 巻: 86(8) ページ: S1399
  • 査読あり
• [雑誌論文] Observations in the diagnosis of cervical myelopathy in patients suffering from diabetes mellitus. (2012)
  • 著者名/発表者名: Okada M, Minamide A, Yoshida M, Kawakami M, Enyo Y, Endo T.
  • 雑誌名: Spinal Cord 巻: 50(12) ページ: 878-81
  • 査読あり
• [学会発表] ラット腰椎椎間関節切除による変性椎間板モデルの作成 (2012)
  • 著者名/発表者名: 福井大輔、 川上 守、中尾慎一、松岡淑子
  • 学会等名: 第27回日整会基礎学術集会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 20121026-27
• [学会発表] A new animal model of degenerative disc disease seen in human. (2012)
  • 著者名/発表者名: Fukui D, Kawakami M, Nakao S, Matsuoka T.
  • 学会等名: Annual meeting of International Society for the Study of the Lumbar Spine, Spine Week 2012
  • 発表場所: Amsterdam, Netherlands
  • 年月日: 20120528-0601
• [図書] III 薬で痛みをコントロールする 12 プロスタグランディンE1はどのように使用すればよいですか?運動器の痛みをとる・やわらげる 現場で使えるペインコントロール (2012)
  • 著者名/発表者名: 川上 守
  • 総ページ数: 127-129
  • 出版者: メディカルビュー