研究課題/領域番号 |
22591644
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
徳橋 泰明 日本大学, 医学部, 教授 (80188739)
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研究分担者 |
網代 泰充 日本大学, 医学部, 助教 (00424739)
大島 正史 日本大学, 医学部, 助教 (20526090)
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キーワード | 椎間板 / 脊椎固定術 / 内固定金属 / 安全性 / 合併症 / 予防 |
研究概要 |
平成23年度(平成23年4月1日~平成24年3月31日)の研究実施成果 1.動物モデル(豚)における設置隣接椎間の変化ならびに金属に対する生体反応の検討 (1)術後8カ月になった2頭を順次屠殺した。各モデルのスクリュー固定隣接椎間板部(頭尾側終板含む)を含むように5椎体とスクリュー・ロッドを一体とし、周囲軟部組織をつけたまま、一つのユニットとして採取した。固定椎間の骨癒合と可動性温存した椎間での可動性を確認した。また、肉眼的には金属粉など金属物質の組織沈着(メタローシス)はなかった。 (2)それぞれの摘出ユニットをX線撮影ならびにMRI、CTを撮像した。いずれの画像所見でも、明らかな金属粉の組織内残留の所見はなかった。固定椎間の骨癒合と可動性温存した椎間での可動性を確認した。 (3)豚血液中のチタン濃度について術前と屠殺直前で比較検討した。術前の血液中チタン濃度は、15.9±1.8ng/gで屠殺直前術後8カ月の血中チタン濃度は、各50.8±3.45ng/g、38.4±1.58ng/gであった。術前より高値を示したが、いずれも非常に微量であった。 (4)スクリュー設置隣接椎間の変化とスクリュー周囲の軟部、骨組織について組織学的所見について検討した。その結果、顕微鏡下の組織中にメタローシスの所見はなかった。 (1)~(4)の結果より試作した椎間可動性を温存したスクリューは、金属粉、メタローシスの発生がなく、安全性が確認された。このデータをまとめて本スクリューの臨床応用に向けて論文作成の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非常に順調に予定通り、実験動物の飼育と標本採取が終了し、検体作成も終了した。残る作業は、疑わしき組織所見の追加分析と結果のまとめ、そして論文作成である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、疑わしき組織所見の追加分析と結果のまとめを行い、そして論文の作成である。本試作スクリューは、耐久試験ならびに生体内安全性の確認実験の中で、内容的には大きな問題はなかった。本試作スクリューの臨床応用に向けて努力していきたい。
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