研究概要 |
日本白色家兎5羽から摘出した第1腰椎から第6腰椎(計25椎間板)を用いた.椎体下終板(計25終板)を,円柱形(直径6 mm)に終板の中心部から得た. 終板試験片は,島津マイクロフォーカスX線CTシステム(SMX-160CTS)を用いて,解像度:1.77 micron の条件下でCT撮影を行った.栄養管の直径および容積を測定し,終板の多孔性を求めた.栄養管は,椎体側から椎間板へ配管する際,終板中心部付近で集積することがわかった.これを基盤栄養管と定義し,測定した定量的データに基づいて,栄養管を椎体側栄養管・基盤栄養管・椎間板側栄養管に分類した.また,基盤栄養管と接続している分岐栄養管の量を椎体側・椎間板側で比較した. 試験片終板内栄養管の各腰椎における平均容積と平均直径は,共に第3腰椎で最小値1.82×10 7 minron 3, 67.2 micronを示した.また,腰椎上部から下部にかけて値が減少していく傾向が見られた.終板の平均容積は,第4腰椎で最小値17.2×10 7 minron 3を示し,栄養管容積と同様に腰椎上部で高い値が得られた.終板多孔性は,第3腰椎で最小値8.35 % を示し,同様に終板上部で高い値が得られた.分類した栄養管の平均直径および平均容積は,椎体側栄養管の平均直径;105.7 micron平均容積は6.9×10 5 minron 3.椎間板側栄養管平均直径;37.9 minron平均容積;3.3×10 4 minron 3.基盤栄養管平均直径;174.2 micron平均容積;3.8×10 6 minron 3.各栄養管が試験片内栄養管全体に対して占める割合は,基盤栄養管が50 %に近い値を占めた.椎体側栄養管・椎間板側栄養管の比較では,第1腰椎・第3腰椎・第4腰椎で有意な差が得られ,椎間板側栄養管が高い割合を占めた (p<0.05).
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