研究課題/領域番号 |
22591656
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒田 良祐 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80379362)
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研究分担者 |
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70170115)
久保 晴司 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30452494)
松下 雄彦 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40467650)
松本 知之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546588)
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キーワード | 幹細胞 / 再生医療 / 関節軟骨 / 靭帯 / 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) |
研究概要 |
幹細胞や万能細胞の開発とともに主要臓器の再生の試みが盛んにおこなわれている。骨、関節軟骨、靭帯再生においては幹細胞からの細胞の動員、分化、血行の再開、血管新生が重要な役割を果たす。ヒト末梢血-血管内皮前駆細胞の増殖・誘導に不可欠な要素として幹細胞動員因子・造血因子である顆粒球コロニー刺激因子:Granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)がある。昨年度、ウサギ骨折モデルを使用しG-CSFによって循環する幹細胞が骨の修復再生に動員されたことを証明し、骨再生過程においてG-CSF receptorが有意に増加することを確認し、このことからG-CSFが骨再生促進に重要な役割を果たしていることが確認された。また免疫不全ラットの靭帯損傷モデルにおいてG-CSFが靭帯治癒促進に重要な役割を果たしていることが確認された。平成23年度はビーグル成犬20頭を用い実験を行なった。膝前十字靭帯損傷モデルを用い、損傷部軟部組織には高い増殖能,多能性を持つ幹細胞が局在していることを確認した。さらにこの細胞群はG-CSFによって動員が可能なCD34陽性細胞を多く含むことが明らかとなった。今年度はこのG-CSFによって動員が可能なCD34陽性細胞を多く含む靭帯損傷部軟部組織を利用した損傷部靭帯組織併用療法の可能性について探る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幹細胞動員因子・造血因子である顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)による骨の再生、靭帯の再生の可能性が実験によって示唆された。この結果からより臨床に近い実際的な治療法の開発が視野に入ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の組織再生との密接な関連が示唆され、この結果を生かして臨床で使える治療法の開発を進めていきたい。
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