研究課題/領域番号 |
22591658
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高橋 光彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10372715)
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研究分担者 |
二川 健 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
江西 哲也 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (20467806)
西庄 俊彦 徳島大学, 大学病院, 医員 (40444723)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 腱移行 |
研究概要 |
腱移行手術は麻痺肢の機能的再建の治療手段である。この手術では動力源となる筋の遠位腱を移行して、麻痺した運動を再獲得させる。骨格筋が発生する張力はその長さに依存しており、過伸張状態では十分な張力を発揮できない。腱移行手術において移行された筋の術後収縮力は低下することが知られており、伸張により筋内サルコメアの機能不全がその原因として考えられる。本研究では、伸張された骨格筋の筋力低下の原因・病態を解明することである。 昨年度までの研究では、筋が伸張した状態での腱移行手術によってサルコメア数の増加が引き起こされているが、それに伴う筋収縮の生理的可動域はむしろ減少していることが明らかにされた。また生理学的筋横断面積が不変にも関わらず活動張力が減少していた。筋間線維組織増生が確認され、このことが生理的可動域や活動張力の減少に関わっていると思われた。筋への伸長ストレスがかかる四肢骨延長モデルにおいても、同様に筋解析を行っている。若年個体と比較して高齢個体では、筋内腱成分の伸張が不良であり、その分筋線維の伸張(サルコメア数増加)が必要なことが分かった。高齢個体では元来、筋内の線維結合組織の割合が約2倍であり、骨延長によってその比率がさらに2倍になっていた。遺伝子改変動物によって筋内線維化を抑制出来るかどうかを確認中である。オステオアクチビントランスジェニック個体では、骨延長に伴う線維化がMMP発現などを介して若干抑制されており、筋線維断面積の増加とともに筋張力増加が確認できた。 これまでのデータから、過大伸長を強要する状態や、高齢個体での腱移行には、筋には形態的適応がおこるものの、それらが必ずしも機能的回復を意味しているものではないことが明らかとなった。筋内線維化は筋収縮力と関連している因子のひとつと思われ、引き続き解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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