研究課題/領域番号 |
22591665
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 耕太 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50404629)
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研究分担者 |
大坪 英則 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10468085)
鈴木 大輔 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40372817)
内山 英一 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (70221108)
小林 拓馬 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20585418)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / 整形外科 / 足関節 / 外側靭帯 |
研究概要 |
本研究はロボット工学を応用した三次元力学試験機により、未固定凍結人体標本を用いた足関節-距骨下関節複合体の安定性を解明することを目的とした研究である。膝関節においては既に本試験機を用いた研究が各国で進んでおり、靭帯の機能・役割や、靭帯再建術後の効果や術式間の比較がなされ、多くの成果が得られている。しかし、足関節への応用はまだ限られていた。前年度までに足関節における実験システムを確立したことを受け、最終年度にはデータを蓄積するための実験を積み重ねた。 実験方法は、未固定凍結足関節標本に、前方力、内がえしモーメント、外旋モーメントを作用させ, まず正常足関節の三次元軌道を記録した。次に踵腓靭帯を切離し、正常時と同方向の力・モーメントを与え、踵腓靭帯不全足関節の三次元軌道を記録した。また位置制御機能を用いて, 先に記録した正常足関節の運動軌跡を再現した。靭帯切離前後の6軸力の差から, 正常足において踵腓靭帯に作用していた荷重を求めた。次に前距腓靭帯を切離し同様の試験を行った。 その結果、前方力荷重をかけたとき、踵腓靭帯不全足関節ではどの方向の変位も変化しなかった。内がえしモーメント荷重をかけたとき、踵腓靭帯不全足関節では内がえし方向の変位は増大傾向で、前距腓靭帯切離追加後には内がえし方向の変位に加え前方方向の変位も有意に増大した。外旋モーメント荷重をかけたとき、踵腓靭帯不全足関節では外旋方向の変位は増大した。踵腓靭帯にかかる張力は、どの方向の荷重でも底屈位から背屈位に変化するにつれて大きくなった。 本研究より、踵腓靭帯単独の生体力学的機能が明らかになった。これらのデータは足関節外側靭帯損傷の受傷機序や再建術における踵腓靭帯再建の必要性を考える際に有用な基礎データとなることが考えられた。特に靭帯再建時の底背屈角度・固定長力の決定に応用することで、治療成績の向上に寄与可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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