• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

凝固線溶マーカーと抗Xa活性モニタリングによる術後静脈血栓症の選択的予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22591666
研究機関横浜市立大学

研究代表者

稲葉 裕  横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (40336574)

キーワード静脈血栓症 / 予防法 / 人工関節置換術
研究概要

人工股関節全置換術(THA)後の静脈血栓塞栓症(VTE)の発生は、間欠的空気圧迫法で予防を行った69例では17例(26.4%)に認め、Xa阻害薬で予防を行った117例では8例(6.8%)に認めた。どちらの群でもVTEが発生した患者群では、術翌日の可溶性フィブリン(SF)、プラスミノゲンアクチベーター阻害蛋白(PAI-1)およびトロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)値がVTE非発生群と比較して有意に高かった(p<0.01、 p<0.01、p<0.05)。抗Xa活性によるXa阻害薬の血中濃度測定では、経時的に血中濃度が高くなった(p<0.001)。Xa阻害薬の血中濃度の推移を腎機能障害の有無で比較すると、腎機能障害例では術後3、7、14日目において抗Xa活性値が有意に高かった。またVTE発生の有無で比較した抗Xa活性値では有意差は認めなかった。
本研究では、THA術後のVTE発生に関係する術後早期(術後1日目)の凝固線溶マーカーについて同定した。現在までの結果からは、SFとPAI-1の2つのカットオフ値を用いれば感度100%、特異度65%で術後VTE発生のスクリーニングが可能である。このようなスクリーニング法を用いながら選択的な薬物的予防法を行うことが出来れば、薬物的予防法の副作用を低減させることができるため、意義が大きい。今後、本スクリーニング法を用いて実際の選択的予防法の有効性について検証していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 可溶性フィブリンとプラスミノーゲン活性化酵素阻害蛋白による静脈血栓塞栓症の早期診断2010

    • 著者名/発表者名
      雪沢洋平、 稲葉 裕、小林直実、石田 崇、岩本直之、崔 賢民、藤巻 洋、池 裕之、手塚太郎、平田康英、齋藤知行
    • 雑誌名

      日本人工関節学会誌

      巻: 40 ページ: 458-459

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人工股関節全置換術後のフォンダパリヌクス血中濃度が示すVTE予防効果と副作用2010

    • 著者名/発表者名
      雪沢洋平、稲葉裕, ほか
    • 雑誌名

      日本人工関節学会誌

      巻: 40 ページ: 456-457

    • 査読あり
  • [学会発表] 整形外科術後静脈血栓塞栓症の早期診断と予防に対する取り組み2010

    • 著者名/発表者名
      稲葉裕
    • 学会等名
      第5回日本血栓止血学会学術標準化委員会シンポジウム
    • 発表場所
      東医健保会館(東京)(招待講演)
    • 年月日
      2010-10-30
  • [学会発表] 人工股関節全置換術における急性期凝固系亢進のリスクファクター2010

    • 著者名/発表者名
      雪沢洋平、稲葉裕, ほか
    • 学会等名
      第37回日本股関節学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      2010-10-01
  • [学会発表] 整形外科術後静脈血栓塞栓症の早期診断と予防に対する新しいアプローチ2010

    • 著者名/発表者名
      稲葉裕
    • 学会等名
      第83回日本整形外科学会学術集会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京)(招待講演)
    • 年月日
      2010-05-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi