関節炎に対するNuclear factor-kb及び体外衝撃波療法の混合治療の効果を検討するにあたり、in vitro及びin vivoの検討を行った。 ラットのアジュバント関節炎モデルに対して体外衝撃波を照射後、滑膜の炎症性サイトカインを解析した結果、炎症性サイトカイン発現の低下を体外衝撃波群で認め、体外衝撃波療法には抗炎症作用があることが確認された。 ラットアキレス腱培養細胞に対するNuclear factor-kb decoyの導入効率及びInterleukin-1(IL-1)による炎症を誘発した際のNuclear factor-kbの発現率を検討した。その結果、3000発の体外衝撃波照射によりNuclear factor-kb decoyの腱細胞への導入効率を約10倍と向上させることが可能であった。またIL-1を添加することにより炎症を引き起こした際、Nuclear factor-kbの発現を約25分の1に低下させることが可能だった。Nuclear factor-kbを体外衝撃波により腱細胞へ導入することにより、強い抗炎症作用をもたらすことを明らかにした。 以上より、体外衝撃波療法にも抗炎症作用をもたらす作用があり、Nuclear factor-kb decoyによる抗炎症作用も体外衝撃波照射により向上する可能性がある可能性が明らかとなり、今後2つの治療法の融合により、抗炎症作用を増強させ、より効果的な治療か行える可能性が示唆された。
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