研究課題
当研究においては、PTH/PTHrP受容体の恒常活性型を骨芽細胞/象牙芽細胞にて発現しているcaPPRマウスと、同じく骨量増加の表現型をもつCIZノックアウトマウスを掛けあわせて、さらなる骨量増加の表現型が得られたことから、caPPR-CIZKOマウスの解析を行うことを目的としている。今年度の進捗状況は以下の通りである。caPPR-CIZKOマウスの繁殖に関しては、徐々に新たにcaPPR-CIZKOが生まれつつある。これまでに存在するマウス検体の解析については、caPPR-CIZKOが、caPPRマウスやCIZKOよりもさらに著明に骨量が増加していることを大腿骨において以前に示していた。そこで、他の骨および歯における表現型を見るため、まず、下顎骨および歯について、解析した。caPPR-CIZKOでは、切歯長がcaPPRやCIZKOよりも短くなっており、切歯の基部のマトリックスの肥大化を認めた。このことから、象牙芽細胞においても、CIZがPPRの作用を調整していることが示唆された。他に、椎骨について、バージョンアップしたマイクロCTにて解析を行い、caPPR+CIZKOによる骨量増加の傾向を確認した。細胞培養の系では、骨芽細胞様細胞株MC-3T3E1細胞において、PPRの下流シグナルであるCRE(cAMP response element)を介した転写活性化を見るため、pCRE-Lucベクターでルシフェラーゼアッセイを行った。CIZを大量発現させた場合には、PPRによるCREの活性化が軽減されることがわかった。つまり、CIZがPPRシグナルを抑制していることが示唆された。
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