研究課題
当研究においては、PTH/PTHrP受容体の恒常活性型を骨芽細胞/象牙芽細胞にて発現しているcaPPRマウスと、同じく骨量増加の表現型をもつCIZノックアウトマウスを掛けあわせて、さらなる骨量増加の表現型が得られたことから、caPPR-CIZKOマウスの解析を行うことを目的としている。今年度の進捗状況は以下の通りである。caPPR-CIZKOマウスの繁殖に関しては、caPPRマウスが弱いことと、CIZKOマウスに過去に報告したように精巣の異常があるため、困難であったが、caPPR-CIZKOおよびそのコントロール各群の計8群について、♂、♀それぞれ5例から9例のマウス検体を得ており、さらに繁殖中である。細胞培養の系では、骨芽細胞様細胞株MC-3T3E1細胞において、PPRの下流シグナルであるCRE(cAMPresponseelement)を介した転写活性化を見るため、pCRE-Lucベクターでルシフェラーゼアッセイを行った。CIZを大量発現させた場合には、当初PPRによるCREの活性化が軽減される傾向があったが、その後の繰り返し実験の結果、ほぼ軽減はされないという結論に至った。CIZがBMPシグナルの阻害因子であること、PTHがBMPシグナルを亢進するという報告があることから、CIZの作用は、PTHのCRE活性化作用そのものではなく、PTHからBMPへ至り骨形成につながる経路の側にあるものと考えられる。
3: やや遅れている
マウス自身の性質によりマウスの繁殖が困難であることと、CIZがPTHシグナルを直接的に抑制しているのではないことが判明したことが内在的な原因として考えられる。震災後の節電も研究を阻害した。
マウスの検体数がある程度得られたので、それらの検体について、骨の表現型を解析し、データを強固なものにする。CIZがPTHを直接抑制するのではないことが示唆されたこと、CIZがBMPの阻害因子であることを過去に報告したことから、PTHとBMPのクロストークにおいてCIZがどのような役割を持つのかを解析する。
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