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2011 年度 実績報告書

変形性関節症の治療を目指す間葉系幹細胞エピジェネティクスに関する分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591681
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

江面 陽一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50333456)

キーワード遺伝子 / 再生医学 / シトシン・メチル化
研究概要

本研究の目的は、ヒト間葉系幹細胞(MSC)の軟骨細胞への分化過程でシトシン・メチル化の変動を示す領域について、メチル化変動の細胞系譜特異性を検証し、個々の領域における生物学的な意義について解明を進めることで、再生医療への利用がすでに実現化レベルにある本細胞の有効な選択的採取法と分化制御法開発のための基盤を形成することである。本年度の計画として、これまでの解析からは同定されなかったメチル化変動部位の探索をさらに進めるため、ゲノムワイドなシトシン・メチル化レベルの解析を進めた。また、組織由来の異なるMSCにおけるシトシン・メチル化の相違についても、ゲノムワイドな比較解析を行なうことで、軟骨細胞への分化能に寄与するエピジェネティックな制御状態の同定を目指した結果、軟骨細胞の最終分化に関わることの知られる2つの重要な転写因子を含めた4種類の転写因子遺伝子座における特徴的なシトシン・メチル化の相違が明らかにされた。これらの遺伝子の発現レベルはシトシン・メチル化レベルとは逆相関を示す傾向を示したが、遺伝子上流領域から第一エクソン、第一イントロンにかけてメチル化レベルの相違が逆転する現象が見られ、オルタナティブスプライシングとの関連について検討した。CpGメチル化とヒストン修飾およびクロマチン構造の変化についての検討は十分には行なえず、最終年度における継続検討を予定している。以上の研究成果は変形性関節症の治療への応用の試みられる、間葉系幹細胞の使用方針について、適切な判断基準となる基盤的知見を築くものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究開始時に既に同定されていた2つの遺伝子座における機能面からの解析と、新たな手法による軟骨細胞への分化誘導能の相違に関与の推定される新たなシトシン・メチル化領域を有する遺伝子座の同定を、いずれも計画に従って進めることが出来ている。

今後の研究の推進方策

既知のメチル化相違領域における機能解析結果として、SDF1遺伝子座の上流に推定サイレンサー領域を同定した。この領域の機能的な検証と、結合因子の同定を目指す。また新たに同定されたメチル化相違部位について、機能面からの解析を進めて、軟骨細胞への分化能についての関与の有無を検証する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Identification of the Differentially Methylated Promoter and Intragenic CpG-Cytosines in the Human Synovium and Bone Marrow Derived Mesenchymal stem Cells2011

    • 著者名/発表者名
      江面陽一, ほか6名
    • 学会等名
      米国骨代謝学会
    • 発表場所
      サンディエゴ(米国)
    • 年月日
      2011-09-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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