研究課題/領域番号 |
22591682
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
遠藤 直人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10251810)
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キーワード | 25(OH)D / 非定型骨折 / 骨動態 / 骨構造 / 大腿骨近位部骨折 / 脊椎骨折 / 骨粗鬆症 |
研究概要 |
本研究では骨粗鬆症を基盤とする骨折者を解析し、骨折危険因子の検討を行うことを目的とし、1)「高齢者において骨粗鬆症患者さんでは骨脆弱性が高まり、まず脊椎骨折を生じ、その後、大腿骨頚部骨折をきたす」との「骨折の連鎖」があると推測されることからこの検証をおこなうこと、2)骨粗鬆症性骨折症例ではビタミンD不足が関連している可能性が考えられることから、血中250H-D,(ビタミンDレベル)、ucOC(低カルボキシル化オステオカルシン、ビタミンK充足レベル)と骨折との関連を検討すること、3)骨強度の低下は骨構造あるいは骨組織での変化によると思われることから大腿骨骨構造(HSA hip structure analysis)および骨折症例の骨組織所見について検討することをめざした。 平成23年度においては1)新潟大学病院および新潟県佐渡市佐渡総合病院、関連病院において2010年1年間、2011年1年間に新規大腿骨頚部骨折患者を調査した。さらにその患者さんについて脊椎X線検査を行い、脊椎骨折既往の有無を調べた。現在、データを解析、新規大腿骨近位部骨折症例における脊椎既存骨折を有する割合を算出している。 2)大腿骨頚部骨折者および脊椎骨折者において骨折受傷時の血中25(OH)Dを測定した。大多数の症例で基準値と比較して低値であった。他の血液検査データとの関連を現在検討中である。 3)大腿骨頚部骨構造および骨組織所見の検討を進めている。 骨構造はDXAにより大腿骨頚部を撮影し、HAS hip structure analysis(新潟大学病院にすでに現有している)の解析を進めた。また大腿骨近位部骨折および非定型大腿骨骨折症例において骨折手術時に骨組織を生検し、骨形態計測を合わせて行い、骨動態を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脊椎骨折、大腿骨近位部骨折症例の解析、データ収集はおおむね予定通りに進んでいることから骨折症例の解析は進んでいると判断される。一方、骨構造および骨組織の作成、解析が遅れている。特に骨組織の採取可能な症例が限られている。
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今後の研究の推進方策 |
骨折症例の経過を追い、手術、非手術例における転帰、予後の調査も併せておこなうことで骨折調査の意義を高めることが期待される。また骨組織については関連の施設にも依頼し、該当する症例からの採取、分析を進めることをめざす。
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