研究課題
破骨細胞を介した関節リウマチ(RA)骨破壊の制御により、RAによる日常生活活動度の低下を予防することを最終目的とする。我々はこれまで破骨細胞骨吸収におけるミトコンドリアの役割を解析してきた。最近、ミトコンドリアの形態変化によってアポトーシスが制御されること、そしてミトコンドリア形態形成遺伝子の変異が神経変性疾患の原因となることがわかってきた。本研究では、骨吸収のメカニズムとミトコンドリア形態変化の関係を明らかにするため、ミトコンドリアの分裂・融合に関与するGTPaseであるDrp1、Mfn1,Mfn2の活性をコントロールすることにより、破骨細胞性骨吸収におけるミトコンドリアの分裂・融合反応の意義を検討することにより、RA骨破壊制御への新たな筋道を見つけることを目的とする。本年度は、まずミトコンドリア形態変化を制御する分子であるのDrp1の野生型(wild type : WT)の遺伝子を非増殖型アデノウイルスに組み込んだ。さらにはポイントミューテーションでドミナントネガティブ型とした変異体Drp1^<K38A>もアデノウイルスに組み入れ、これらアデノウイルスを用いて破骨細胞に過剰発現させることに成功した。次年度は、これらの遺伝子を過剰発現させた破骨細胞の延命・機能解析を行っていく予定である。
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