『実験1』Balb/cマウス(5-7週齢、メス)の胸腺を摘出、浮遊胸腺細胞とし、密閉型アクリル樹脂製箱に静置後、揮発性吸入麻酔薬セボフルレンまたはイソフルレンがそれぞれOMAC、1MAC、3MACになるように設定し12時間、これら麻酔薬に曝露したのちにAnnexin Vと7-AADで染色し、Flow cytometry法にてアポトーシス細胞を観察した。また、同様にセボフルレンまたはイソフルレンがそれぞれ3MACになるように設定後、4、8、12時間、これら麻酔薬に曝露してアポトーシス細胞を観察した。『結果1』セボフルレンまたはイソフルレンはin vitroにおいてマウス胸腺細胞に容量依存的、時間依存的にアポトーシスを誘導した。『実験2』『実験1』と同様に浮遊胸腺細胞を得、これに30μMまたは60μMのプロポフォールを添加して4、8、12時間培養し、プロポフォールによる容量依存性、時間依存性アポトーシス誘導を観察した。『結果2』胸腺細胞はプロポフォールにより容量依存性、時間依存性ともにアポトーシスは誘導されなかった。『実験3』『実験1』と同様にイソフルレンを0MAC、1MAC、3MACになるように設定し、4、8、12時間、これら麻酔薬に浮遊胸腺細胞を曝露後、細胞内ATPのルシフェラーゼ蛍光作用を利用してルミネッセンスプレートリーダーを用いてATP量を測定した。『結果3』イソフルレン曝露群は非曝露群に比べ細胞内ATP量が時間依存性に減少した。しかし、イソフルレン1MAC群と3MAC群を比較すると両群間に統計的有意差はなかった。
|