アルツハイマー様の認知障害を示すモデルマウス(SAM-P8)および認知障害を示さない対照マウス(SAM-R1)を用い,海馬スライスのシナプス伝達に及ぼす全身麻酔薬作用を比較検討した.反回抑制を活性化したネットワークを作成し(RIE回路),全身麻酔薬の作用を検討した.またシナプス前終末からのGABA放出に及ぼす影響を調べた.揮発性麻酔薬および静脈麻酔薬は集合電位の振幅を抑制したが,その作用はSAM-R1よりもSAM-P8において増強していた.認知障害により全身麻酔薬作用が増強される可能性がある.これはシナプス前終末からのGABA放出促進によると考えられた.
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