研究課題/領域番号 |
22591708
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 幸子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20276710)
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研究分担者 |
大田 典之 大阪大学, 医学部付属病院, 助教 (60379162)
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50252672)
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キーワード | 樹状細胞 / ミダゾラム / 腫瘍免疫 / 免疫抑制 / リボ多糖 / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体 |
研究概要 |
本研究の目標は樹状細胞に対するミダゾラムの与える免疫抑制的影響の(1)分子機序の解明と(2)個体レベルの免疫機能への影響を評価することの2つに分けられる。本年度は(2)の個体レベルの免疫機能への影響の検討を中心に行った。 まず免疫系の評価のために抗腫瘍免疫能の評価系の確立を行った。GM-CSFによって骨髄由来の樹状細胞(以下BMDCと略)を骨髄から誘導する。このBMDCに抗原(鳥卵白アルブミン:以下OVAと略)を取り込ませて、マウス個体にOVAを取り込んだBMDCを投与することでマウスを免疫する。1週間後に同様のBMDCを追加投与してマウスを追加免疫する。2回目の免疫より2週間後にマウスの免疫系の解析と評価を行う。樹状細胞を分化させる過程でミダゾラムに暴露するかしないかで2群の実験群を造った免疫系の評価は抗原(OVA)特異的なCD8T細胞がリンパ節に誘導されているかをOVAに対するMHC class Iテトラマーを用いて追跡すると、ミダゾラムで処理した樹状細胞で免疫した群ではOVA特異的T細胞の誘導が抑制されていた。 個体レベルの免疫応答はOVAを腫瘍抗原として発現する腫瘍細胞であるEG-7をマウスに接種しこれを排除することができるかを調べて評価した。OVAを取り込ませた樹状細胞で免疫したマウスはEG7を接種してもEG-7は排除されるのに対して、ミダゾラムで処理した樹状細胞ではEG-7を排除することはできなかった。これらからミダゾラムは個体レベルで樹状細胞によって惹起される免疫応答を抑制することが示唆された。
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