• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

高血糖で吸入麻酔薬の心筋保護が抑制されることに対してスタチンが及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 22591710
研究機関徳島大学

研究代表者

田中 克哉  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263841)

研究分担者 大下 修造  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60144945)
堤 保夫  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
キーワード吸入麻酔薬 / 心筋保護効果 / スタチン / 高血糖
研究概要

我々は吸入麻酔薬イソフルランが心筋虚血再灌流傷害に対して心筋を保護することを報告してきた。しかし、その恩恵的な効果は高血糖状態で減弱することも報告した。近年、スタチンには単に高脂血症の治療薬だけでなく、AktやeNOS活性化を誘発して、心筋保護効果を含む様々な薬理作用が報告されている。そこで高血糖状態でスタチンの投与が吸入麻酔薬の心筋保護効果を高めるかどうか検討した。
13週齢オス日本白色種のウサギの耳静脈からペントバルビタールを投与し、気管切開を行い左胸開をして冠動脈左前下行枝の枝に糸をかけ、心筋虚血再灌流モデルを作成した。すべての群で30分間の心筋虚血と3時間の再灌流を施した。高血糖群ではグルコースを静脈内投与(0.6g/kg bolus後0.6g/kg/h)して血糖値を300mg/dl以上にした。イソフルランは1MACを再灌流時に5分間のみ投与した。また、スタチンはSimvastatin 1mg/kgを再灌流5分前に静脈内投与した。再灌流後に心筋梗塞サイズを測定した。その結果(n=7/bach group)、対象群(42±8%)に対してイソフルランによるポストコンディショニングは有意に心筋梗塞サイズが減少した(21±10%)。高血糖状態ではイソフルランの保護効果は棄却された(39±10% vs. 41±7%)。スタチン単独で高血糖状態でも保護効果を発揮し、イソフルランと併用するとさらに保護効果があった(28±1% vs. 16±11%)。これらの結果から、高血糖状態でもスタチンとイソフルランを併用すると心筋保護効果を発揮する可能性があることが示唆される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Differential effects of propofol and isoflurane on glucose utilization and insulin secretion.2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K, Oshita S, et.al
    • 雑誌名

      Life Sciences

      巻: 88 ページ: 96-103

    • 査読あり
  • [学会発表] Hyperglycemia Impairs Cardioprotection by Volatile Anesthetics.2011

    • 著者名/発表者名
      田中克哉
    • 学会等名
      日本臨床麻酔学会第30回大会
    • 発表場所
      徳島市
    • 年月日
      2011-11-04
  • [図書] セボフルラン-基礎を知れば臨床がわかる-第9章セボフルランの抗炎症作用と臓器保護効果2010

    • 著者名/発表者名
      田中克哉(稲田英一編集)
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      メディカル・サイエンス・インターナショナル社
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.tokushima-u.ac.jp/article/0017600.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi