βーブロッカーによる全脳虚血に対する脳保護効果を検討した。保護効果があるとするならば、この効果が虚血発症前の予防的投与に依存するのか、虚血発症後の治療的効果を有するものか検討した。ラットによる低血圧+総頸動脈楔紮モデルをもちいた。propranolol、esmolol、landiololを虚血前投与した場合効果がないだけでなくpropranololでは死亡率が上昇した。しかし虚血後投与を開始した場合esmolol、landiololは海馬CA1の障害を軽減した。致死的なショック時にはβ1受容体遮断は有害であるが、ショック離脱後に選択的にβ1受容体遮断することは脳保護効果を発揮した。
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