研究課題/領域番号 |
22591727
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (50216016)
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研究分担者 |
井上 隆弥 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (00335358)
松田 陽一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00397754)
阪上 学 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379254)
植松 弘進 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70467554)
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キーワード | 運動 / 痛み / f・MRI / 脳機能画像 |
研究概要 |
脳機能画像を用いたヒトの痛みの認知機構に対する研究が進んでいるが、臨床的に最も多く遭遇する筋や骨などの運動器由来の痛みについての研究は少ない。また、これまで筋のみを刺激することが困難であったため、機械的刺激による筋由来の痛みの脳機能画像研究は行われていない。運動時の痛みを研究する目的で、実験機材の準備を進めたがMRI装置の中で使用可能な熱刺激装置が高価なため購入不可能であった。そこで運動に関連する筋の由来の痛みを脳機能画像でとらえる実験系を考案し実施した。皮膚に局所麻酔(1%リドカイン3ml)を施すことにより刺激を筋組織のみに限局させる方法を用いて、筋への機械的刺激(10N, 20N, 30N)に反応する脳活動をfMRIで評価し、皮膚と筋由来の痛みによる脳の活動部位の比較を行った。(方法)対象は健康成人17名。撮像は非局所麻酔時に非侵害刺激を与える条件と侵害刺激を与える条件、局所麻酔時に非侵害刺激を与える条件と侵害刺激を与える条件の4条件下に行った。各条件の刺激は被験者の右下腿に対し圧痛計を用いて行い、得られた画像データはすべてSPM2を用いて解析した。(結果・考察)筋痛に特異的な領域はなかったが、複数の領域を含む(前帯状回、島の前部と後部、レンズ核、視床、前頭前野背外側部、後部頭頂葉、前補足運動野)活動のパターンは筋痛に特異的であった。二次体性感覚野は皮膚由来の痛みに特異的な領域であることが示唆された。(意義)筋への機械的痛み刺激による脳活動のパターンを明らかにした。
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