研究課題
基盤研究(C)
出血性ショックは全身性炎症をきたして急性肺障害 ALI を引き起こす。近年、内因性一酸化炭素 CO が抗炎症効果を有することが分かってきた。われわれは、ラット出血性ショックモデルによる ALI に対して、ショック蘇生後に 250ppm の CO を 3 時間吸入させて、治療効果とそのメカニズムについて検証した。出血性ショックによって、肺の組織障害度スコア、細胞浸潤、肺重量(Wet/dry 比)、炎症性メディエータ(TNF-α, iNOS) の発現、アポトーシス細胞(TUNEL法)のいずれも有意に増加していた。これに対して、CO 吸入群では、上記いずれの値も全て改善が見られた。さらに CO 吸入群では、抗炎症性サイトカイン IL-10 と核内受容体ホルモンPPARγの発現が有意に増加していた。CO 吸入による血圧や動脈血酸素分圧に変化はなく、組織低酸素(Hypoxyprobe)も見られなかった。出血性ショック蘇生後の 250ppm/3 時間の CO吸入は、 CO 毒性をきたすことなく ALI を改善させて、その抗炎症作用として PPARγによる炎症性メディエータ発現抑制と抗炎症性サイトカイン産生が関与していると考えられた。
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