研究課題/領域番号 |
22591736
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山浦 健 九州大学, 大学病院, 准教授 (70264041)
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研究分担者 |
吉村 恵 熊本保健科学大学, 生命科学研究科, 教授 (10140641)
塩川 浩輝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30572490)
辛島 裕士 九州大学, 大学病院, 助教 (80380434)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 疼痛 / 麻酔 / インビボパッチクランプ |
研究概要 |
本年度も平成22年、23年度に引き続き、共同研究者である熊本保健科学大学の吉村恵教授とともに実験を行った。最終年度となる本年度は実際に麻酔薬が脊髄後角において痛覚情報伝達にいかなる影響を与えるかを観察し、鎮痛作用機序を検証した。そのための実験として、インビボラットを用いてパッチクランプ記録を行い、記録開始後に抑制性および興奮性細胞から放出される神経伝達物質の作用が麻酔薬によりどのように変化するのかを評価した。 麻酔薬のうちセボフルラン、ミダゾラム、プロポフォールの脊髄におけるこれらの変化については既に報告されているため、今回はオピオイドであるレミフェンタニルとNMDA受容体拮抗薬であるケタミンの作用機序を検討した。 レミフェンタニルの実験では、レミフェンタニルは脊髄灌流液に投与することによりオピオイド受容体を介して細胞膜電位を過分極させ、足肢からの痛覚刺激応答を抑制した。これまでレミフェンタニルは脊髄においては痛覚を増強すると考えられてきたが、本研究の結果からは逆に脊髄においても鎮痛効果を発揮していることが示唆された。さらに、レミフェンタニルがGABAやグリシンなどの抑制性入力に影響を与えないことも明らかにした。 ケタミンは脊髄灌流に投与した場合においては痛覚応答に対する変化は示さなかった。これは濃度の問題であるのか直接的灌流投与方法に問題があるのかは現在のところ不明である。今後ケタミンの作用としてNMDA受容体拮抗作用以外の作用機序にも焦点を当て、脊髄スライス標本を用いたパッチクランプ記録も併用し、詳細な検討を行なっていく予定である。 今後の研究結果も含めて、国内あるいは国際学会でこれらの麻酔薬の脊髄に及ぼす新たな知見として評価や助言を参考にして、論文として公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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