研究課題/領域番号 |
22591738
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉富 修 長崎大学, 大学病院, 助教 (30380926)
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キーワード | 薬理学的プレコンディショニング / 心筋スタニング / 心筋梗塞サイズ / 心筋虚血再灌流障害 / 水素 |
研究概要 |
心筋における薬理学的プレコンディショニングについて検討することは、周術期管理において適切な薬剤の選択を可能とし、集学的かつ効率的な心筋虚血保護に大いに寄与すると考えられる。今回、豚の生体モデルを用いて、心筋虚血再灌流障害(心筋スタニング、心筋梗塞サイズ)に対する心筋保護効果を検討した。 麻酔したブタを用いて、開胸して心臓を露出し、頚動脈-左冠動脈前下行枝バイパスを作製した。このバイパス回路を遮断・解除することによって左冠動脈前下行枝灌流領域を虚血再灌流させてブタの心筋虚血再灌流モデルを作成した。 このモデルを用いて水素の虚血前吸入による心筋保護作用について検討した。 12分間虚血・90分間再灌流による心筋スタニングモデルにおいて、2%水素の虚卑前吸入により心筋スタニングからの回復が有意に改善された。 また40分間虚血・120分間再灌流による心筋梗塞モデルにおいて、4%水素の虚血前吸入により心筋梗塞サイズの有意な縮小効果を認めた。 しかし、2%水素では心筋梗塞サイズに有意差を認めなかった。 この成果はScand Cardiovasc J. 2012 Feb 20に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験施設の移転や臨床業務により、思うように研究日がなかったため、モデル作成の確立に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
豚の心肺脳蘇生モデルを用いて、心肺蘇生時にエピネフリンおよびバゾプレシンそれぞれにRho-kinase阻害薬ファスジルを併用投与し、心拍再開後の血行動態および心筋収縮力、さらに蘇生中、心拍再開後の脳酸素需給バランスを評価する。これにより蘇生後症候群におけるRho-kinaseの役割を解明する。さらに、他に心筋に対して保護作用を有すると考えられる麻酔薬(吸入麻酔薬、α2作動薬)についても蘇生後心筋障害に対する改善効果を検討する。
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