研究課題/領域番号 |
22591750
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
近藤 一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50266623)
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研究分担者 |
藤ヶ崎 純子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60312021)
長沼 恵子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70277086)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 癌性疼痛 / 鎮痛耐性 / 脊髄肉芽腫 / モルヒネ |
研究概要 |
われわれは現在までにラットを用いて2週間のモルヒネ髄腔内長期投与での脊髄肉芽組織の作成に成功した。そしてモルヒネ長期髄腔内投与による鎮痛耐性とその肉芽による圧迫にて運動神経障害を起こすことが分かった。α2アゴニストであるデクスメデトミジンも2週間の髄腔内長期投与を行い、容量依存性に鎮痛効果があるがモルヒネと同様に鎮痛耐性があることもしめされた。ただ、デクスメデトミジンには脊髄肉芽反応はなく、運動神経障害も起こらなかった。 鎮痛効果をほとんど示さない低用量のデクスメデトミジンをモルヒネと併用することで、モルヒネの鎮痛耐性と肉芽形成を抑制し、運動神経障害をも抑制した。組織学的にもその肉芽の発生はほとんど見られなかった。これらの一連の結果は数を増やし、有意な差を持って証明することができている。 慢性疼痛モデルである癌性疼痛モデル(腫瘍移植モデル)を作成に関しては継代培養している乳腺腫瘍細胞をラット大腿骨に移植し、腫瘍の増殖、アロデニア(自発痛)反応を引き起こすことに成功している。画像診断(レントゲン撮影)において明らかに腫瘍が大腿骨で増殖、骨破壊像を呈しており、行動実験ではアロデニアを移植後2週間後より呈している。しかし、癌性疼痛モデルに対してはモルヒネやデクスメデトミジンの長期投与(2週間)によるアロデニア抑制は一部にみとめられたものの、本来鎮痛薬長期投与による鎮痛耐性は得られなかった。癌性疼痛モデルでは腫瘍の急速な増殖により神経への高度圧迫や破壊が個々により異なっており(実験終了後の患側大腿部の重量に個体差が有意に認められた)、ラットの腫瘍拡大個体差やアロデニア測定自体の精度で鎮痛耐性のデータが生じなかったと考えられる。 脊髄の免疫染色によるマイクログリアの有意な増加やMAPK活性の有意な増加は認められていない。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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