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2011 年度 実績報告書

Cold Allodyniaにおける温度セルセンサーの機能変化メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591752
研究機関愛知医科大学

研究代表者

新井 健一  愛知医科大学, 医学部, 講師 (50380316)

キーワード脳・神経 / 生理学
研究概要

Cold Allodyniaは難治性神経障害性疼痛であるComplex Regional Pain Syndromeや頚髄症、中心性脊髄症などの脊椎・脊髄疾患において、しばしば軽い触刺激で痛みを生じるTactile Allodyniaと同時に出現する。治療に抗けいれん薬や抗鬱薬などの鎮痛補助薬が用いられるがその効果は乏しく、長期にわたって生活に支障を来す。基礎研究でメカニズムについては後根神経節細胞に発現している温度受容体やATP受容体の活性化や脊髄後角レベルの関与が指摘されており、これらに作用する薬物により痛みが緩和できる可能性が考えられている。我々の神経障害性疼痛患者における臨床経験から、熱伝導の少ないプラスチックなどではあまり痛みが生じないのに対して、同じ温度の金属では強い痛みを生じることから、皮膚における熱の移動速度(熱流束)が冷痛覚過敏に大きく関与しているものと予測できる。そこでヒト(健常者、患者)を用いて、温度変化のパターンによって温度感覚経験がどのように変化するかについて調査し、同時に電気生理学的な手法を併せて行うことで、関連する一次感覚線維のタイプや温度受容体の役割を解明していくことが本研究の目的である。本年度では,現有のペルチエ素子を用いた冷温刺激装置によって、手掌部の皮膚温度を下げていき、痛み感覚が生じたときの皮膚温度と熱流束の関係について検討した。冷却温度を一定とした場合、ペルチエ素子と皮膚との間に生じる熱流束が大きいほど高い皮膚温度で痛み感覚が引き起こされる結果となった。このことから熱流束が大きければ皮膚温度の変化が小さくとも痛み感覚を引き起こす可能性が考えられ,痛み評価における熱流束計測の必要性がうかがえる。この結果を、第33回日本疼痛学会にて発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

健常者における研究は進んでいるが、患者による研究は患者数を増やすことが難しい状態で、また同意を得ることに難渋している。

今後の研究の推進方策

まず、健常者における熱流束が大きいほど高い皮膚温度で痛み感覚が引き起こされる結果を得たので、英語論文にして国際雑誌に投稿を進める。さらに、電気生理的な解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 熱流束、総熱量測定による痛覚評価の検討2011

    • 著者名/発表者名
      下和弘,鈴木重行,松原貴子,新井健一,牛田享宏
    • 学会等名
      第33回日本疼痛学会
    • 発表場所
      松山、愛媛
    • 年月日
      2011-07-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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