研究課題/領域番号 |
22591753
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
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研究分担者 |
森本 賢治 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20388250)
宮崎 信一郎 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30411359)
藤原 俊介 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60535813)
荘園 雅子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90445982)
日下 裕介 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60636075)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / アクロメリン酸 / アロディニア / カイニン酸 / 脊髄 |
研究概要 |
アクロメリン酸Aは、カイニン酸と類似構造を持ち、カイニン酸と同様にnon-NMDA受容体に作用すると考えられている。しかし、アクロメリン酸A髄腔内投与によるアロディニアが、non-NMDA受容体拮抗薬で抑制できないこと、アクロメリン酸Aの作用部位が不明であることから、アクロメリン酸Aが特異的に作用する受容体が存在するかを検証した。放射線同位体11Cで標識が可能な新規のアクロメリン酸誘導体PSPA-4を合成し、PSPA-4の神経障害性疼痛に対する効果、in vitro autoradiography法による作用結合部位の同定、後根神経節のカルシウムイメージング法を用いて、以下の知見を得た。 1. PSPA-4は、高用量でアロディニアを誘発し、低用量では、アクロメリン酸A惹起のアロディニアを抑制した。 2. [11C]PSPA-4は、ラットの脳、特に海馬、尾状核被殻、皮質および脊髄全体に結合し、その結合は、PSPA-4、カイニン酸で阻害された。一方、[3H]カイニン酸は、[11C]PSPA-4と類似し、脊髄では、後角に強い結合を認め、その結合は、カイニン酸、PSPA-4で阻害された。 3. PSPA-4は後根神経節培養細胞内のカルシウム濃度を上昇させたが、カイニン酸とは異なる反応を示した。また、カイニン酸受容体を脱感作させるconcanavalin Aで前処置を行うと、PSPA-4による細胞内カルシウム濃度の上昇は減弱した。 PSPA-4は、アロディニア誘発作用と抗アロディニア作用の二面性を有し、脳・脊髄でカイニン酸受容体に結合することが示唆された。一方、PSPA-4は、後根神経節においてカイニン酸とは異なる反応を示した。PSPA-4は、アクロメリン酸Aだけでなく、中枢神経および末梢神経での痛みの伝達機構の解明のため有用である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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