研究課題/領域番号 |
22591756
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
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研究分担者 |
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 講師 (40369070)
大倉 暖 産業医科大学, 医学部, 産業医学修練医 (00596710)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ATP受容体 / P2X7受容体 / サブユニット選択的作用 / 神経障害性疼痛 / 疼痛発現機構 / 新たな鎮痛薬開発 |
研究概要 |
申請者らは、癌性疼痛に対する新たな鎮痛薬開発をめざし、神経障害性疼痛への関与が示唆されているATP受容体に関する疼痛機構を分子レベルで解析することを目的として研究計画を立てた。①電気生理学的手法(アフリカツメガエル卵母細胞発現系)による7種のイオンチャネル型ATP受容体(P2X)と8種のG蛋白結合型ATP受容体(P2Y)への全身麻酔薬・阻害薬の影響解析、②遺伝子変異株を用いた電気生理学的手法による全身麻酔薬・阻害薬の作用部位の同定、③マウスを用いた行動薬理学によるin vivoでの疼痛機序解析、④電気生理学的手法(パッチクランプ法)による脊髄後根神経節(DRG)細胞と脊髄ミクログリア細胞に発現しているATP受容体への全身麻酔薬・阻害薬の影響解析である。 平成24年度は、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて、疼痛発現に関与すると考えられているP2X4、P2X7に対する鎮痛薬(ガバペンチン、プレガバリン、トラマドール)と局所麻酔薬(リドカイン、メピバカイン、ロピバカイン)の影響を電気生理学的に解析した。昨年度、同じく疼痛発現に関与すると考えられているP2X3に対して、鎮痛薬・局所麻酔薬ともに影響を及ぼさないことを確認したが、P2X4に対しては同様に影響を及ぼさなかった。P2X7に対しても鎮痛薬の影響はなかったが、局所麻酔薬のうちリドカインのみが、P2X7のATP誘発性電流を濃度依存性に抑制することを発見した。また、ATPの濃度反応曲線に対する影響を調べたところ、この抑制形式は非拮抗阻害である可能性が示された。これらの結果より、P2X7機能の抑制はリドカインの作用機序の一つである可能性が示され、またP2Xに対するリドカインのサブユニット選択的作用が示されたことにより、今後の研究において、P2Xに関する分子レベルでの疼痛発現機序解析につながることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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