研究概要 |
骨転移モデルはマウスの大腿骨に骨肉腫細胞を移植した。疼痛評価は、von Frey filamentを患肢を20回/20秒刺激し、逃避行動の回数を記録し次にHot Plateによる逃避時間を、移植直前、移植7日後、14日後の薬剤投与前・30分後・60分後・120分後に記録した。Vehicle群(35%Polyethylene glycol),Ibudilast群(3mg/kg・10mg/kg) Minocycline群(50mg/kg)に分けて、移植7日後7日間1日2回 腹腔内投与(0.3ml容液)をした。さらに、vehicle及びibudilast(10mg/kg)を上記と同様に1日2回腹腔内投与し、最終投与はモルヒネ(15mg/kg)にしたV-M群とI-M群を作成。結果:von Frey刺激で前2.54±0.34, 7日後10.3±0.65(p<0.0001) Hot Plateでは前54.52±1.15sec、7日後37.23±2.34sec(p<0.0001)と疼痛を生じた。移植14日後から測定終了まで、von Freyによる逃避回数をAUCで比較した。vehicle群(2243±52.7)と比較し、ibudilast10mg群(1563±280.6, p<0.05)とV-M群(1523±195.5, p<0.01)、I-M群(1709±63.9, p<0.05)で有意に疼痛行動は減少。Hot plateでの潜時は、30分後でvehicle群(16.6±3.4s)と比較して、ibudilast10mg群(34.4±6.2s, p<0.05)、minocycline群(34.5±8.7s, p<0.05)、V-M群(59.16±0.8s, p<0.01)、I-M群(60.0±0.0s, p<0.01)で有意な延長だった。結論:ibudilastは骨転移の疼痛を緩和した。
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