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2010 年度 実績報告書

マイクロRNAによる泌尿器科癌の癌(抑制)遺伝子制御の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591759
研究機関山形大学

研究代表者

冨田 善彦  山形大学, 医学部, 教授 (90237123)

キーワードマイクロRNA / 泌尿器科癌 / 遺伝子
研究概要

【目的】GSK3βは、腎癌において核内に高発現し、NF-κBを通じて、XIAPやBcl-2といったanti-apoptotic factorの発現を上昇させ、癌の発生や増殖を促進する。逆にGSK3βを阻害するとその発生や増殖が抑制されることも示されている。データベース上ではmiR-199aはその塩基配列からGSK3βのmRNAを抑制し、その発現を抑制することが予想され、新たな治療のターゲットとなる可能性がある。そこで我々は、実際にmiR-199aが腎細胞癌においてGSK3βを抑制するかを調べた。
【方法】細胞株(Caki1、ACHN、A498)にpre-miR-199aを導入し、72時間後のGSK3βの発現をwestern blottingで調べ、細胞の生存についてはMTSアッセイで測定した。臨床検体は54対の正常腎組織と腎細胞癌組織を用い、miR-199aの発現とGSK3βの免疫染色の相関を調べた。
【結果】細胞株に対する導入群では、すべてにおいてcontrolに対してGSK3βの発現低下およびXIAP、Bcl-2の発現低下が確認された。MTSアッセイ、BrDUアッセイにおいても生存細胞数の減少を認めた。臨床検体では54例中32例(59.2%)でmiR-199aが発現低下しており、免疫染色との比較では発現に反比例して核内のGSK3βが染色されない傾向にあった(P=0.0272)。
【結論】以上より、miR-199aの際発現腎細胞癌においてGSK3βを抑制し、新たな治療のターゲットとなる可能性がある。今後、さらに、miR-199aを中心とした研究を発展させる計画である。

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公開日: 2012-07-19  

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