研究課題
1.癌細胞において特異的に増殖し、緑色蛍光蛋白(GFP)を発現させる新規の診断用アデノウイルスベクター製剤Telomescanの、各種膀胱癌細胞の検出における有用性が証明された。さらに、次世代試薬としてのluciferase発現プラスミド(hTERT-AdTSTA-luciferase)を作成し、当該発現プラスミド試薬の有用性を、各種膀胱癌細胞を用いて確認した。正常尿路上皮細胞(HUC)および各種膀胱癌細胞のそれぞれのテロメラーゼ活性とhTERT-AdTSTA-luciferaseプラスミドによるluciferase遺伝子の発現量との相関を解析した.両者の間に有意な相関が認められた.結果として,hTERT-AdTSTA-luciferaseプラスミドは,テロメラーゼ活性がより高い膀胱癌細胞においてより強くluciferase遺伝子を発現することが明らかとなった。2.新たにコンストラクションしたhTERT-AdTSTA-GFPプラスミドの癌細胞検出における有用性を検証するために,ヒトの膀胱癌KK47細胞とヒト正常尿路上皮細胞(HUC)を1:10で混合して培養した状態で,hTERT-AdTSTA-GFPをトランスフェクションし,24時間後にGFP遺伝子の発現を蛍光顕微鏡で観察した.結果として,一部の細胞で強いGFP遺伝子の発現が観察され,正常尿路上皮細胞(HUC)中に存在する膀胱癌細胞を,GFP遺伝子の発現を確認することにより検出することが可能となった.これは,hTERT活性の高い膀胱癌細胞のみがGFPタンパク質を強力に発現するため,個々の癌細胞レベルでのラベル化・検出が可能となったものと考えられる。我々が独自開発した新規の癌特異的遺伝子発現プラスミドシステム(hTERT-AdTSTA-GFP)により,癌細胞の発見効率を飛躍的に高められることが期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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