研究概要 |
前立腺癌細胞(PC3株)は、脂肪組織片、成熟脂肪細胞、脂肪組織由来間質線維芽細胞(ATSC)により浸潤を促進されたが、放射線照射の有無では浸潤傾向に高度の差はなかった。一方、LNcap株では放射線照射ATSCにより増殖が促進されたが、統計学的有意差はえられなかった。膀胱癌細胞株(RT4,EJ)についても検討を加えた。表在性膀胱癌株(RT4)は、放射線照射ATSCにより増殖抑制、アポトーシス促進された。一方、浸潤性膀胱癌株(EJ)は、放射線照射ATSCにより増殖促進、アポトーシス抑制された。また、放射線照射ATSCは、尿路癌のMAP kinase pathwayの発現を促進した。放射線被曝間質細胞の影響は、前立腺癌と膀胱尿路上皮癌とでは異なり、癌細胞の種類に依存していることが示唆される。被爆間質細胞の影響をより詳細に検討するためには、さらなる研究が必要である。
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