研究概要 |
腎癌の自然免疫から回避する機構としてSOCS3とmiRNA has-miR93が関与していることを明らかとした。腎癌の中で786-O細胞はインターフェロンと遺伝子組換型TRAILに対して強い抵抗性を示した。この786-O細胞においてはSOCS3とhas-miR93が強発現していたため、SOCS3をsiRNAで抑制したところ、強い細胞増殖抑制作用が観察された。またmiR-93をAnti-miR miRNA Inhibitorで抑制したところTRAILによる細胞死を誘導することが可能であった。しかし、誘導率はおおよそ30%にとどまった。これらの結果から腎癌細胞株786-Oにおいてインターフェロン抵抗性にはSOCS3が有意に影響していると考えられた。さらにSOCS3誘導はIL-6によるものであることを見いだし、抗IL-6受容体抗体とインターフェロン併用の効果を検討した。その結果、in vitro, in vivoにおいて抗IL-6受容体抗体とインターフェロン併用により、強い抗腫瘍効果を確認することが出来た。腎癌において抗IL-6受容体抗体とインターフェロン併用が一つの治療法のオプションになり得ることが示された。
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