研究課題
酸化ストレスは細胞の老化や癌化に関わる重要なシグナルに密接に関与している。本研究において、酸化ストレスがDNA damage responseを介して前立腺癌細胞のアポトーシスを誘導し、その過程で男性ホルモンであるテストステロンがアポトーシスを促進的に働かせることを明らかにした。この機序として酸化ストレスはDNA damage responseを活性化していることがあきらかになった。本研究ではさらにテストステロンを回復させた場合のDNA damage response関連蛋白質の発現変化をWestern blotting法で検討した結果、DNA damage responseの活性化がみられ、テストステロンの発がんにおける抑制の可能性が示唆された。さらに前立腺癌の酸化ストレスによる発がん予防とテストステロンの関連について検討した。酸化ストレスはミトコンドリアやDNAを障害し様々な疾患を引き起こす。一方、抗酸化物質の摂取により癌を予防できる可能性が示唆されている。クルクミンとイソフラボンはアジアにおいてよく摂取され、強力な抗酸化作用および抗炎症作用を有している。我々は前立腺癌細胞LNCaPにおいて、クルクミン、イソフラボンによるDNA-damage responseを介した悪性化抑制の可能性について検討した。また、これらポリフェノール存在下におけるテストステロンの作用についても検討した。LNCaP細胞ではイソフラボン、クルクミンにより細胞増殖抑制効果がみられた。また、テストステロンによりDNA damage responseの活性化が誘導されていた。これらの結果からポリフェノール存在下にアンドロゲンシグナルはDNA damage responseを介して前立腺発癌を抑制する可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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