研究課題/領域番号 |
22591793
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関 成人 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90294941)
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研究分担者 |
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
梶岡 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90274472)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 過活動膀胱 / 膀胱排尿筋 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
本研究の目的は、膀胱間質細胞が下部尿路の生理的機能にどのように関わり、また過活動膀胱などの機能障害の一端を、間質性細胞が担うかどうかの基礎的なデータを収集することを目的としている。今年度は、過活動膀胱の成因と思われる、自発性収縮の異常を神経終末の神経伝達物質の放出に焦点をおいて、ヒト及びブタ膀胱の排尿平滑筋に、等尺性収縮張力法を適応して検討した。神経原性となる神経の興奮は、平滑筋標本への電気刺激として代用した。膀胱の興奮性支配神経はコリン作動性神経とプリン作動性神経と言われているが、プリン受容体をブロック抑制しても、あるいはムスカリン受容体をブロック抑制しても、電気刺激による収縮張力に有意な変化は認めなかったが、双方の受容体をともブロック抑制したところ、約1/2の張力となった。これらの受容体刺激による収縮には相互作用が考えられた。また過去の報告では、Naチャネル阻害薬であるテトロドトキシンにより膀胱排尿筋の電気刺激による収縮は消失するというのが定説であるが、今回の研究では、テトロドトキシンを用いても、変化が認められなかったことから、電気刺激による収縮反応は、第三の神経伝達物質が働いている可能性や、神経末端からの放出物質以外の機序も考えられることが示唆された。それらの候補として、筋肉への直接的な刺激を考慮しカルシウムチャネル拮抗剤であるニフェジピン、消化管ではアセチルコリンの分泌を促すと言われ、排尿筋でも筋収縮増強作用が報告されているセロトニンの効果を検討したが、ニフェジピンは、ブタ膀胱排尿筋の電気刺激による収縮は、ほぼ消失したが、ヒト膀胱排尿筋では、約1/2の収縮が残った。またセロトニンは、影響を及ぼさなかったことから、電気刺激による排尿筋収縮、ひいては、過活動膀胱の成因となる排尿筋不随意収縮には、未だに明らかにされていない神経伝達物質が介在していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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