研究課題/領域番号 |
22591799
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
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研究分担者 |
平山 暁秀 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40336871)
鳥本 一匡 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10382293)
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キーワード | 排尿学 / 夜間頻尿 / 高齢者 / 睡眠障害 / 簡易脳波睡眠診断 / 無拘束生体計測 / 在宅計測 / 睡眠生理 |
研究概要 |
平成22年度は、本学の医の倫理委員会の承認を得て、夜間頻尿を訴える患者における簡易脳波睡眠診断の意義に関する研究と、より快適な簡易脳波睡眠診断機器の開発への課題抽出作業を行った。 現行の簡易睡眠脳波診断機器は、前頭部の2カ所に電極を内蔵した鉢巻状電極と耳柴電極を有線で中継器を介してノートパソコン(nPC)にデータを転送するもので、被験者に十分な使用説明を行った後に在宅での測定を行った。しかし、在宅の就寝環境ではnPC設置のスペースの確保が困難であり、改良ソフトを搭載したミニnPCに変更したが、パソコンの使用自体が高齢者には困難であることが多いこと、夜間排尿動作毎に電極を脱着する必要があることなどの測定系の課題が抽出された。 生体計測専用のLSIが開発途上であることから、電極と有線接続した中継器自体にSDメモリ(SD)と携帯電話用リチウム電池を搭載し、SDを媒体としてnPCで解析するシステムを考案し、ポケット収納型中継・記録器を開発した。また夜間排尿覚醒時の排尿動作の確認のため、体動計を用いて排尿動作を記録し、脳波と併せて解析するソフトを開発して、現在、高齢者の夜間排尿と睡眠脳波の関連を評価している。 簡易睡眠脳波による高齢者の睡眠の質的診断では、開発時に対象となった被験者の大半が若年者であり、高齢者の睡眠に関する基礎データが全くない状態で、高齢者特有の睡眠の質的評価ならびに夜間排尿覚醒との関連を評価するに至っていない。現時点では夜間排尿覚醒は非REM期の深睡眠からREM睡眠への移行期に生じており、就眠後第1 REM移行期で排尿覚醒しなければ、被験者の睡眠自己評価は高い傾向が確認されている。
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