研究課題/領域番号 |
22591799
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (00133207)
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研究分担者 |
鳥本 一匡 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10382293)
平山 暁秀 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40336871)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 夜間頻尿 / 睡眠障害 / 高齢者 / 在宅計測 / 脳波測定 |
研究概要 |
【脳波計の改良】平成24年度は、脳波計を従来よりも小型・軽量化、操作を簡易化したことに加え、頭部にディスポ電極を用いて接続する送信器と、電波で送られる脳波情報を受信・記録する受信器に分離した。この無線化により被験者の行動が制限されることがほとんどなくなり、在宅での睡眠脳波測定が容易となった。 【在宅睡眠脳波測定を用いた研究成果】 [目的]夜間頻尿により睡眠が障害されるが、客観的に睡眠状態を評価した報告はない。そこで無線型簡易脳波計を用いて夜間頻尿症例の睡眠状態を評価した。[対象と方法]高齢夜間頻尿症例17名と若年健常者10名を対象とし、2夜以上連続で在宅睡眠脳波測定を行った。[結果]年齢は、夜間頻尿群72.6±0.6歳、健常者群37.7±11.3歳であった。睡眠脳波測定は、夜間頻尿群でのべ43回、健常者群でのべ12回行った。夜間頻尿群の夜間排尿回数はのべ90回で 1夜あたり2.1±1.2回であった。夜間頻尿群では、総就床時間、睡眠時間、中途覚醒時間がより長く、深睡眠時間がより短く、睡眠効率が低下していた。また、入眠から初回覚醒までの時間が2睡眠周期より短い群では、中途覚醒時間が長く、深睡眠時間が短く、睡眠効率が低下していた。[結語]夜間頻尿症例においては夜間排尿回数のみならず中途覚醒時間の長さが睡眠の質を低下させていることを、無線型簡易脳波計を用いて客観的に証明した。高齢者夜間頻尿に対する診療では、夜間排尿回数を減少させることに加えて中途覚醒時間を短縮させることも重要であると考えられる。 【研究の意義】 夜間頻尿による睡眠障害の診療において下部尿路症状への治療のみで効果が得られない場合、他覚的所見に基いた睡眠そのものへの治療介入の可能性が示され、新たな治療戦略開発の第1歩を踏み出したと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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