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2013 年度 実績報告書

脊髄における下部尿路機能を制御する神経伝達物質の網羅的解析と新規治療薬の探求

研究課題

研究課題/領域番号 22591802
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

古田 昭  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90349613)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード膀胱機能 / 尿道機能 / α1受容体 / α2受容体 / イミダゾリン受容体
研究概要

平成25年度までの4年間で、下記の2つの知見が得られた。
(1)尿禁制反射におけるノルアドレナリンによる尿道平滑筋と尿道括約筋の制御機構
結果:1)尿道平滑筋による安静時尿道圧と腹圧時収縮圧はα1受容体遮断薬とα2受容体遮断薬で低下する、2)尿道括約筋による腹圧時収縮圧はα2受容体遮断薬で低下するが、α1受容体遮断薬で変化は認められない。また、尿道括約筋による安静時尿道圧はα1受容体遮断薬とα2受容体遮断薬で変化しない、3)ノルアドレナリン再吸収阻害薬はα1受容体を介して、尿道平滑筋による安静時尿道圧と腹圧時収縮圧ならびに尿道括約筋による腹圧時収縮圧を上昇させることが判明した。
(2)脊髄内α2アドレナリン受容体とイミダゾリン(I)受容体の排尿機能へ及ぼす影響
結果:1)クロニジン(I1/α2受容体作動薬)とB-HT933(α2受容体作動薬)は排尿閾値圧を有意に上昇させた。一方、イダゾキサン(I1/α2受容体拮抗薬、I2リガンド)とヨヒンビン(α2受容体拮抗薬)は排尿閾値圧を有意に低下させた、2)クロニジン(I1/α2受容体作動薬)は尿漏出圧を有意に低下させ、イダゾキサン(I1/α2受容体拮抗薬、I2リガンド)は尿漏出圧を有意に上昇させた。その他のパラメーターに有意差は認められなかった。以上より、脊髄内の膀胱求心路にはα2受容体が存在し、排尿閾値圧を制御している可能性が示唆された。また、脊髄内のI1受容体の作用として、尿禁制に関与する尿道平滑筋あるいは外尿道括約筋や骨盤底筋群(横紋筋)の活動を制御し、尿道抵抗をコントロールしている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この4年間の研究で、膀胱尿道機能に対するアセチルコリンと5-HTの作用に関しては十分に解明することが出来なかった。一方、ノルアドレナリンの作用機序に関しては概ね解明することが出来た。さらに、α2受容体に共発現していると考えられているイミダゾリン受容体の膀胱尿道機能に対する影響を解明することが出来たことは新たな知見と思われる。

今後の研究の推進方策

平成26年度は上記2つの知見を国内外の学会で口演、論文形式で発表する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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