研究概要 |
研究計画書に基づき、原発性アルドステロン症(PA)の診断と腹腔鏡手術を推進そのアウトカムを蓄積した。本研究の特色は、他施設では施行しないCT陰性微小腺腫に対する手術と、両側性PAに対する手術治療の開拓である。 まず2010年中に微小腺腫を含む片側性PAのアウトカムを集計、全米泌尿器科学会で発表した。この内容はUrology誌に投稿、受理され、2011年中に上梓予定である。 Ishidoya S,Arai Y et al.Single center outcome of laparoscopic unilateral adrenalectomy for patients with primary aldosteronism:lateralizing disease using results of adrenal venous sampling.10.1016/j.urology.2010.12.042 この内容を含むPAの新展開を、日本泌尿器科学会より依頼を受け2011.4月の卒後教育プログラムで講演する。 更に、副腎疾患に対する両側一期的腹腔鏡手術のfeasibilityを立証するため、当科で過去に遂行した同手術(クッシング症候群や褐色細胞腫を含む)の外科的、内分泌学的アウトカムをまとめてInt J Urol誌に投稿した(審査中)。 両側性PAの現時点での標準治療は薬物療法である。両側性PA患者が非常に多いこと、両側一期的腹腔鏡手術が安全であることを証明してきた我々は、最終的な目的である"両側性PAを腹腔鏡手術により治療する"を念頭に、関係各科や倫理委員会との調整を進めており、2011年には例数を限ってのパイロット治療を開始する予定である。
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