研究概要 |
低ナトリウム食飼育下の6週齢の雄性SDラットを4群に分類し、それぞれコントロール群、シクロスポリン(CsA)群、シクロスポリン+エリスロポエチン(EPO)群、シクロスポリン+カルバミル化エリスロポエチン(CEPO)群とする。PAS染色ではCsA群では尿細管の萎縮を認めたが、EPO/CEPO群では傷害が軽度であった。またマッソン・トリクロム染色においても、CsAによる間質の線維化が、EPO/CEPO群では有意に抑制されていた(Control群3.1±1.2%,CsA群12.2±2.0%,EPO群7.2±2.6%,CEPO群6.7±2.7%)。α-SMA染色で形質転換を評価したところ、EPO/CEPO投与群ではCsA群と比較し有意にα-SMA陽性面積が少なかった(Control群1.0±0.5%,CsA群9.7±2.9%,EPO群4.4±0.8%,CEPO群3.4±1.4%)。またED-1染色にてマクロファージの浸潤を評価したところ、EPO/CEPO群では、CsA群と比較し有意にマクロファージの浸潤が抑制されていた(Control群38±11cells/HPF,CsA群909±240cells/HPF,EPO群538±192cells/HPF,CEPO群486±191cells/HPF)。腎皮質におけるTGF-β1の発現をreal time RT-PCRで検討したところ、EPO/CEPO投与により有意にTGF-β1の発現が抑制されていた。下流のtype I collagenのmRNAの発現も、同様にEPO/CEPO投与群で有意に抑制されていた。
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