研究概要 |
低ナトリウム食飼育下の6週齢の雄性SDラットを4群に分類し、それぞれコントロール群、シクロスポリン(CsA)群、シクロスポリン+エリスロポエチン(EPO)群、シクロスポリン+カルバミル化エリスロポエチン(CEPO)群とした。ハーベストした腎組織のTUNEL染色を行うことにより、EPO/CEPOによるシクロスポリン腎症に対する抗アポトーシス効果を検討すると共に、Western blot法により組織におけるPI-3 kinase、Aktのリン酸化を検討し、EPO/CEPOによる抗アポトーシス効果のメカニズムを検討した。TUNEL染色を行い、アポトーシスについて評価したところ、CsA群ではControl群と比較し有意にTUNEL陽性細胞数は増加していた(Control群, 0.5 ± 0.4 cells /HPF, CsA群, 16.3 ± 7.4 cells /HPF)。一方、EPO/CEPO群では有意にアポトーシスは抑制されていた(EPO群, 6.6 ± 2.4 cells /HPF, CEPO群, 5.4 ± 1.7 cells /HPF)。アポトーシスに関連する因子として、生存シグナルであるPI3K、Akt経路についてWestern blotting法で検討したところ、CsA群に比較し、EPO/CEPO群ではPI3K、リン酸化Aktの発現が亢進していた。
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