研究課題/領域番号 |
22591808
|
研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
米沢 章彦 東北薬科大学, 薬学部, 准教授 (30167738)
|
キーワード | 射精 / ラット評価モデル / 射精障害治療薬 / 5-HT受容体 |
研究概要 |
当該研究は、科学研究費(平成19~21年度)の補助を受けて確立された「簡便かつ確実性の高いラット射精機能評価モデル」を用い、「射精発現の中枢性調節機構の解明とそれに基づく合理的な治療薬の探索・創薬」を研究期間内の課題としている。平成22年度(初年度)は、(1)射精発現における中枢5-HT2C受容体の役割について、選択的5-HT2C受容体アゴニストおよびアンタゴニストの「脊髄腔内ならびに脳室内投与」による射精発現への影響をラット評価モデルで検討し、「中枢5-HT2C受容体の活性化が射精発現を促進し、逆にその受容体遮断は著明な射精遅延効果を発現すること」を示し、射精発現調節における中枢5-HT2C受容体の強い関与を示唆した。 平成23年度はこの結果を踏まえ、中枢へ移行性の高い5-HT2C受容体アゴニストを用い、研究の主課題である「5-HT2C受容体ならびにD2受容体アゴニスト併用投与による非常に顕著な射精機能増強効果」の発現機構ならびに作用特性(耐性発現の有無、排尿機能に対する影響)について検討を加えた。その結果、移行性の高い5-HT2C受容体アゴニストとD2受容体アゴニストの低用量併用投与がより強力にかつ効果的に射精機能増強効果を発現することを明らかにし、中枢5-HT2C受容体およびD2受容体の同時刺激を標的とした合理的治療薬開発への道筋を提示した。また、この併用投与を5日間連続して行い射精機能増強効果への影響を検討したが、作用の減弱は認められず、長期投与でも耐性を発現しないことが明らかとなった。さらに、ラット膀胱内圧を指標に排尿反射に対する影響も検討したが、5-HT2C受容体アゴニストとD2受容体アゴニストの低用量併用投与による影響は認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
東日本大震災により、年間を通して最も集中して研究を行える時期(3月~5月)に実験を中断しなければならなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、もう一つ研究課題である「我々が見いだした5-HT2C受容体アンタゴニストの射精遅延効果」について検討を加える。具体的には、ラット射精機能評価モデルを用い、現在「早漏」治療に応用されている選択的5-HT再取り込み阻害薬(SSRI)とその作用を比較しながら、その特徴ならびに作用点を明らかにし、「早漏」治療薬の創薬の方向性を決定する。
|