研究課題/領域番号 |
22591813
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
田中 幹二 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20311540)
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研究分担者 |
柿崎 育子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80302024)
福山 麻美 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (30536511)
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キーワード | 切迫早産 / プロテオグリカン / 炎症性サイトカイン / 子宮頸管培養線維芽細胞 / 絨毛羊膜炎 |
研究概要 |
【研究の目的】 早産の原因として絨毛羊膜炎(CAM)が極めて重要である。またCAMの発症、子宮頚管熟化には、頚管中、羊水中の種々な炎症性サイトカインが重要な働きをしている。一方、プロテオグリカン(PG)は細胞外基質の主要構成成分でありながら、これまでは単に組織構造を維持する物質と考えられていた。ところが近年の研究で細胞の機能発現に重大な影響を与える事が知られるようになり、特に最近ではその抗炎症作用が注目されている。そこで今回は、リポ多糖(LPS)により刺激した子宮頚管由来培養線維芽細胞にPGを添加し、同細胞におけるPGの炎症性サイトカインへの影響を調べる事により、PGの早産防止の新しい治療薬としての可能性について検討した。 【研究成果】 手術時採取した子宮頚管組織片を培養し、得られた線維芽細胞の培地にLPSを添加し炎症を惹起した。48時間まで培養を続け、培地中のIL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNFαの産生量をELISA法により測定し、サイトカインの経時的変化を調べた。同様にLPSを添加し炎症を惹起した子宮頚管由来線維芽細胞の培地に、PGを種々の濃度で添加し48時間まで培養後、培地中のIL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNFαの産生量をELISA法により定量し、上記実験の結果と比較検討した。さらにRT-PCR法を用いて、mRNA定量による遺伝子発現解析を行った。その結果、ヒト子宮頚管培養線維芽細胞の産生する培地中のIL-1β量はLPS添加後12時間後でピークに達した後漸減した。このLPS添加によるIL-1β産生量はPG添加により濃度依存的に減少し、PG1mg/ml添加12時間後の培地中のIL-1β産生量はPG非添加群に比較して有意な減少を示した。またIL-6、IL-8についてもPG添加により同様に著明な減少を認めた。さらにRT-PCR法にて遺伝子レベルでもその抗炎症作用が確かめられた。 PGはCAMの発症、頚管熟化に重要な種々の炎症性サイトカインを著明に抑制したことから、PGが早産防止の新しい治療薬となり得る可能性が示唆された。
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