研究課題/領域番号 |
22591814
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千坂 泰 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40323026)
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研究分担者 |
佐藤 多代 東北大学, 病院, 助教 (70375020)
星合 哲郎 東北大学, 病院, 助教 (10569560)
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キーワード | PIH / 抗血管新生因子 / バソヒビン / 胎盤機能評価 / 近赤外線分光法 |
研究概要 |
正常妊娠、およびPIH患者における血中Vasohibinレベルの検討を行った。正常妊娠群83例、PIH群53例に対し、妊娠中、分娩直後、産褥1ヶ月において、サンドイッチELISA法によりVasohibin-1値を測定した。正常妊娠群の血中vasohibin-1値は、32週未満646.0±385.3fmol/ml、32週以上37週未満591.6±200.5fmol/ml、産褥期604.7±201.2fmol/mlで、妊娠期間中に低下する傾向を認めた。同一患者における検討では、24~26週群(829.7±186.5fmol/ml)と34~35週群(669.6±222.4fmol/ml)において、有意な低下傾向をみとめた。正常妊娠群とPIH群において比較検討では、正常妊娠群では619.4±308.6fmol/mlに対し、PIH群では567.4±275.8fmol/mlであり、低下傾向を示していた。PIH群の重症度による検討では、軽症群(N=28)では528±254fmol/mlに対し、重症群(N=19)は640±302fmol/mlと有意に高値を示した。また発症時期で分類したところ、早発型(N=22)では586.9±308.8fmol/mlに対し、遅発型(N=27)では551.6±244.5fmol/mlと差はみとめなかった。 今回ヒトの血漿を用いて、vasohibin-1の妊娠における変化、PIH発症との関連性について検討し、vasohibin-1は妊娠による影響で変動を示すこと、PIHではより低値を示す傾向があり、その発症進展との関連性が示唆された。今後は胎盤形成におけるvasohibinの役割を含め、詳細に検討を進める予定である。
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