研究概要 |
平成22年度は標識物質としてEuropium-chelateを用いたTime-resolved fluoroimmunoassayにより前処理無しでのassayが可能か検討した。Europium-chelateについては、蛍光寿命が長く、ストークスシフトが大きいことより、Time-resolved fluoroimmunoassayにより内在性物質によるバックグラウンド蛍光の影響を減らすことができるとされている。一方、activinとinhibinはTGF-β superfamilyに属する増殖因子で、activinはinhibinとβ subunitを共通にするが、human inhibinについては、Time-resolved fluoroimmunoassayとTime-resolved immunofluorometric assayにより、前処理無しで、total inhibinとinhibin Aの測定が可能な測定系を確立した。Sensitivity, intra-and inter-assay CVは各々、total inhibinが61pg/ml、9.2%、7.0%、inhibin Aが350pg/ml、3.3%、14.3%であった。 FIRSを惹起する基礎疾患としての絨毛膜羊膜炎のin vitroモデル系として、ヒト羊膜初代培養細胞系を用いて、炎症性サイト均インTNF-αのactivin合成に対する作用を研究した。これにより、羊膜間葉系細胞と羊膜上皮細胞ではTNF-αに対する反応が異なることを明らかにした。すなわち、activin βA subunit mRNAの発現は、羊膜間葉系細胞では、TNF-α添加後早期に上昇し6時間でピークとなった後、低下するのに対して、羊膜上皮細胞では、添加後12~24時間でピークとなった後、48時間まで高値で、羊膜間葉系細胞と羊膜上皮細胞では、異なる機序によりactivin βA subunit mRNAの発現が増加していると推測された。
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