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2012 年度 実績報告書

FIRSの診断と治療への応用を目的としたフリー・アクチビン測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22591816
研究機関群馬大学

研究代表者

安部 由美子  群馬大学, 保健学研究科, 准教授 (70261857)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードアクチビン / フォリスタチン / 羊膜細胞 / 絨毛膜羊膜炎 / FIRS
研究概要

FIRSを惹起する基礎疾患として絨毛膜羊膜炎が知られており、Blanc分類3期では炎症が羊膜まで及ぶ。無血管性の組織である羊膜を構成する細胞の一つである羊膜上皮細胞は、卵膜の最内層に位置し、羊水と直接接し、羊膜上皮細胞で産生・分泌される増殖因子は胎児に影響すると考えられるため、羊膜上皮細胞培養系を用いてactivin Aの産生・分泌を検討し、1) 羊膜上皮細胞が細胞密度に依存してactivin A蛋白を産生・分泌すること、2)培養時間に依存してactivin A蛋白の産生・分泌は増加し、TNF-α(10 ng/ml)はactivin A蛋白の産生・分泌を促進させること、また、3) TNF-α(10 ng/ml)は羊膜上皮細胞の増殖を抑制することを明らかにした(Abe Y. et al. J Endocrinol Invest. 2013, in press)。更に、グラム陰性菌体成分のlipopolysaccharideにも羊膜上皮細胞のactivin A産生・分泌刺激作用があることを明らかにした(Abe Y. et al.投稿中)。また、昨年度の研究により、羊膜培養細胞では、TNF-αによりinhibin/activin βA subunitの発現が増加するのに対してinhibin α-subunit、follistatin、FSTL-3の発現はわずかな増加しか認められないことより、この系では、TNF-α刺激によりfree activin Aが増加することが予想されたため、TNF-α刺激下の羊膜培養細胞上清をfree activin A測定検討用サンプルとしてストックした。更に、現有の抗体以外に、新たに、free activin Aの認識に優れたペプチド抗体の作製を開始し、また、種差が少ないbovine activin Aを用いた抗体作製の準備を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アッセイ法の開発はやや遅れているが、TNF-α刺激によりfree activin Aを増加させることが予想される羊膜培養細胞上清をfree activin A測定検討用サンプルとしてストックを作製したこと、現有の抗体以外に、新たに、free activin Aの認識に優れたペプチド抗体の作製を開始したこと、種差が少ないbovine activin Aを用いた抗体作製の準備を開始したこと、また、絨毛膜羊膜炎モデルとしての羊膜細胞培養系で炎症性サイトカインTNF-αによるactivin A産生・分泌の増加を明らかにし論文として発表したこと、グラム陰性菌体成分であるlipopolysaccharideが羊膜上皮細胞培養系でactivin A産生・分泌を刺激することを明らかにし論文投稿中であることより、上記と判断した。

今後の研究の推進方策

作製中のペプチド抗体が得られたら直ちに、この抗体とactivin A及びfollistatinを用いて、この抗体が, free activin Aを特異的に認識することを確認し、ELISAを開発する。ELISAでは、まず、平成24年度に保存した、free activin Aの濃度が高く、血清に比べnonspecific bindingが低いと考えられる、TNF-α刺激下羊膜培養細胞の上清(10% FBS含有)をサンプルとして用いて検討する。羊膜培養細胞上清中free activin A の測定が可能であれば、ヒト血清中のfree activin A の測定を検討する。ペプチド抗体の特異性が低い場合や力価が低い場合はbovine activin Aを用いた抗体作製も検討する。また、follistatinはactivin に比べてheparan sulfateへの吸着が強いことを利用し、affinity chromatographyにより、activin-follistatin complexとfollistatinを樹脂に吸着させ、path throughの溶出されるfree activin Aを測定することも同時に行う。更に、Blanc分類3期絨毛膜羊膜炎モデルである炎症性サイトカイン刺激下の羊膜培養細胞で、activin A産生・分泌について継続して検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Activin A is stimulated by tumor necrosis factor-alpha and modulates collagen gene expression in human amniotic cells2013

    • 著者名/発表者名
      Abe Y, Komatsubara M, Saito M, Toda M, Shinozaki H, Tamura T, Kasahara Y, Sedakata H, Minegishi T
    • 雑誌名

      J Endocrinol Invest

      巻: 36(7) ページ: 515-20

    • DOI

      10.3275/8816

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LH, FSH2013

    • 著者名/発表者名
      安部由美子、峯岸敬
    • 雑誌名

      内分泌・糖尿病・代謝内科

      巻: 第36巻特別増刊号 ページ: 153-159

  • [学会発表] 経腟エコーとMRIで診断困難な深部内膜症の診断と新しい治療法2013

    • 著者名/発表者名
      五十嵐正雄、横田佳昌、五十嵐敏雄、五十嵐茂雄、安部由美子、梁善光、峯岸敬
    • 学会等名
      第34回日本エンドメトリオーシス学会
    • 発表場所
      宇都宮
    • 年月日
      20130119-20130119
  • [学会発表] ヒト羊膜培養細胞におけるinhibin, activin, follistatin2012

    • 著者名/発表者名
      髙栁彰子、荒井麻希、古川涼、大橋直人、鈴木宏和、山中行義、安部由美子
    • 学会等名
      第37回日本比較内分泌学会
    • 発表場所
      福井
    • 年月日
      20121130-20121130
  • [学会発表] ヒト羊膜細胞における2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxinの作用2012

    • 著者名/発表者名
      大橋直人、鈴木宏和、山中行義、荒井麻希、髙栁彰子、古川涼、安部由美子、水谷哲也、宮本薫
    • 学会等名
      第37回日本比較内分泌学会
    • 発表場所
      福井
    • 年月日
      20121130-20121130
  • [備考] 群馬大学大学院保健学研究科/医学部保健学科

    • URL

      http://www.health.gunma-u.ac.jp/

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公開日: 2014-07-24  

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