研究概要 |
東京大学医学部附属病院女性診療科IVFセンターにおいて、体外受精にて得られた受精卵のうち、余剰胚の研究目的での使用に同意を得た夫婦は、科研費申請前に同意を得ていた症例を含め、2010年度末時点で35組となった。 これらの夫婦より全例、血液を採取し、DNAを抽出、4つのインプリンティング遺伝子(NDN,SNRPN,IGF2,H19)のSNPをPCR-RFLPによりscreeningを行い、受精卵の発現アレルが同定可能である夫婦の抽出に取り組んでいる。 4つの遺伝子のうち、NDN,IGF2は比較的PCRによる増幅が容易であり、制限酵素処理により、一部の夫婦で遺伝子型が異なり、受精卵の解析が有用であることを示唆する結果が得られている。 4つの遺伝子のうち、現在、サル胚盤胞でインプリントが未完成であることが判明し、かつPCR,RFLPによるscreeningが有用であるNDN遺伝子にまず着目し、胚盤胞よりのDNA,RNA採取、PCRおよびRT-PCR,RFLPによる、発現アレル同定をすすめている。 ヒト胚盤胞より、genomic DNAおよびRNAの同時抽出を試みているが、まだ抽出条件が安定していないため、夫婦の解析で解析が不要となった受精卵を用いて、安定したDNA,RNAの抽出条件の探索を行っている
|